SMART MOVE!洛景工房

FEATURE #01│SMART MOVE!

スマートキー2個収納を叶えた
Ⅹ字構造の出発点

原点は、車好きな私自身の億劫

SMART MOVE!アイデア「スマートキー2個と必要なものをひとまとめにして持ち歩けたらいいな」。SMARTMOVE!(スマートムーブ)開発のきっかけは、私自身が日常で感じていた不便にありました。
ちょっと出かける時、子供を駅まで送って行く時などに毎回クルマの鍵、家の鍵、免許証、財布、スマホなどをすべて持って出ないといけないのが面倒で。持ち歩くものが多いので忘れ物も度々。けれど、鍵束をジャラジャラとぶら下げているのも美しくないし、バッグを持ち歩くほどの用事でもない。
財布だけ持って出るような気軽さで全部を持ち歩けたらいいのに。そしたらきっと忘れ物も減るはず。なにか、スマートキーや鍵まで入るコンパクトな財布のようなものはないだろうか。そんな願望から既製品を随分探しましたが見つかりませんでした。

親族の影響で幼い頃から工芸や美術に親しんでいたこと、ものづくりが好きだったこともあって「これは自分で作るしかない」と立ち上がったのが2019年の年始の頃。機能と使い勝手が両立する「お、イイね」と言ってもらえるものを作りたい!と、京都・洛北でオーダーメイドの革製品工房を営む職人夫妻に相談をもちかけました。

「美しくて機能的」「高品質で買いやすい」への挑戦

SMART MOVE!アイデア紙や布でアイデアを形にしてみたり、イラストでイメージを描いたり。あの手この手で職人さんにイメージを伝えては試作してもらうという工程を繰り返し、ようやくたどり着いたのが「X字構造」です。仕切りとなるレザーの中央たった1箇所を縫製するだけで4つのポケットが生まれ、驚きの収納力を実現。スマートキーケースであり、キーケースでもカードケースでも財布でもありながらそのどれとも違う、斬新なマルチケース。描いたイメージの原型が出来上がりました。

X字構造にたどりついてからも試行錯誤は続きました。
サイズや厚みが異なるスマートキーを入れてもきちんと美しく収めたい。カーディーラーなどで鍵を渡すときのためにサッと取り外せることも必要。ジーンズのポケットに入るコンパクトさ(特に薄さ)はキープしたい。求める機能と美しさを両立させるため、ミリ単位の調整を何十回と重ねました。

SMART MOVE!アイデアアナログキーが入る外側のフラップポケットも苦労した箇所のひとつです。鍵を入れる膨らみを生みつつも表面が凸凹しないようにしたい。試行錯誤の結果、革の幅を両サイド5mmずつ広げています。また、外側の一枚革の半分だけ、両サイドをナナメに裁断。お願いした職人さんは立体成型のためのレザー裁断(型取り)の技術に長けた方で、それゆえに実現できたと思っています。

シンプルで機能的な質のよい製品を。そのために無駄な革や縫製、空間は極限まで削ぎ落としていきました。こうして2020年春、「SMART MOVE!」を発表。同年12月、出願からたった1年での特許取得に至りました。

スマートキーが手放せない、すべての方へ

SMART MOVE!アイデア洛景工房で作っているプロダクトはどれも箱にしまっておくような高級品ではなく、気軽に使えて毎日をちょっとよくしてくれる日常品。SMART MOVE!も「使うこと」にこだわったからこそ、『多くの方に使っていただける価格であること』にもこだわりました。

また、X字構造は長さ8cm×幅4cm×厚さ2cmまでのスマートキーが美しく収まるように設計してあるので、車のスマートキー以外にもマンションやガレージシャッター用のキー、防犯用のセキュリティーキーなどをお持ちの方にもお使いいただけるかと思います。私と同じように車が好きでスマートキーを常用している方はもちろん、外出時に不便を感じられている、忘れ物をなくしたい、そんなたくさんの方に知っていただけたらと思います。

SMART MOVE!アイデア